愛す
――いつものように学校が終わり雷龍の中にある一室、幹部専用部屋でくつろいでいる時だった。
―――「やったぞぉ!」
とある1枚の紙を片手に勇悟が叫んだ。
そこから事は始まった。
『どうしたの?』
「見て!見て!
せっちゃん、これ!」
勇悟が持っていた紙を見せてくれた。
それは……
『……ライブチケット?』
……だった。
「おう!抽選で当たったんだぜっ!
プレミア物だぜ、それ」
『そうなんだ、良かったね。』
「誰のライブなの?」
横で話を聞いていた葵が冷蔵庫の中の缶コーヒーを取り出しながら言った。
「拓だよ!拓っ!」
――『…えっ』
その名前を聞いた瞬間私は言葉を失った。