愛す
――――『……ついに来てしまった』
そう、今日は拓のライブの日……
『…うわぁー、似合わない』
―――鏡の前で自分の姿を見ながらため息をつく私。
――その鏡には、スカートを履いてメイクをした私が映っていた……
普段はあまりメイクはしないが今日はすることにした。
――昔とある人に教えて貰った知識がこういう時に役立つ。
――…自分でも誰だか分からない…。
神龍に居た頃の私は私服で、スカートを履くなんて考えられない。
―――だからこそ、"恥"を捨ててスカートを履きメイクまでした。
どうしてスカートを履かない私がスカートを持っているかというと、私がスカートを履かないことを知っている人たちがくれたのがあったからだ。
――一生履くことはないと思っていたがまさかこんな所で役にたつとは思ってもみなかった。