愛す
――『…ねぇ、勇悟は?』
助手席のドアを少し開けてきいた。
「家だ。」
キッパリと言った慎。
『…家?』
……ひょっとして勇悟ドタキャンですか…。
――「…乗れ」
―――ここまで来て帰る訳にもいかないなで車に乗った。
きっと勇悟がここに来れないには理由があるのだろう。
拓のライブに行くのを私より楽しみにしていたから――
―――「……俺が始めて勇悟と会った時、勇悟は親から虐待をうけてたんだ。」
静かな車内で慎が口を開いた。
『…えっ?』
「……あいつだけじゃねぇ。
雷龍の奴らは皆、心に闇を抱えて生きている。」
――"奴らは皆、心に闇を抱え生きている"
慎の言葉が胸に残った。
―――神龍のメンバーもそうだった。
皆暗い過去を抱えていた。
―――慎も
慎も心に闇を抱えているのだろうか―――