君へ贈る愛の歌
屋上で手を繋いで、色んなことを話し合った。
くだらないこともたくさんたくさん。
離れていた間の出来事を聞けば・・・みゅうはずっと俺のこと探してくれていたことが分かって。
辛い思いをたくさんさせてしまった。
病気になったから・・・なんだっていうんだ。
みゅうを泣かせてしまうことの方が、痛いじゃないか。
悲しいじゃないか。
・・・辛いじゃないか。
こんな俺のそばにいたいと言ってくれるみゅうを、俺は笑顔にしたいんだ。
「ねぇ、かっちゃん。あたしね色々考えた・・・かっちゃんが何を思っているのかとか。どうして離れていっちゃったのかとか・・・考えれば考えるほど情けなくなっちゃったよ」
みゅうが繋いでいた手にもう一方の手を重ねて俺の左手を包み込んだ。
「かっちゃんはいつもあたしを笑顔にしてくれる。あたしの笑顔を守ってくれる。だけどね、いいんだよ?悲しいことがあっても、辛いことがあっても・・・いいの。守ってくれなくていいの。一緒に、乗り越えていきたいの」
みゅうの気持ちがズシンと心にのしかかる。
「だからね?かっちゃんも泣いていいんだよ、辛いって言っていいんだよ。かっちゃんがあたしを笑顔にしてきてくれたみたいに、今度はあたしがかっちゃんを笑顔にするから」
・・・みゅうの、馬鹿。
泣かせるようなこと言わないでよ、本当。
みゅうの優しくてあたたかい言葉に今度は俺が涙した。
「かっちゃん、みて」
俺の涙が乾いたころ。
雨も何も降っていなかった空に
「・・・奇跡みたいに綺麗だね、みゅう」
「うん、あたしとかっちゃんが一緒にいれば・・・奇跡なんて簡単に起きちゃうよ」
大きな虹がかかっていた。