君へ贈る愛の歌
真っ暗闇の中。
あたしの数メートル先にいるかっちゃんの姿。
『かっちゃん・・・どこに、行くの?』
あたしが足を一歩踏み出せば、かっちゃんは一歩後ずさってしまった。
拒否、されてるみたいで・・・悲しい。
お願い。
行かないで。
『みゅう、さようならだよ』
嫌。そんなの嫌だよ!!
行かないでよ、お願いだから・・・。
あたしが地面に崩れ落ちるのと同時。
視界がぐわんぐわんと揺れた。
「起きろって言ってんだよ、ブス」
私の視線の先にいたはずのかっちゃんはいなくて、代わりに本田先輩がいた。
夢、だったの?
だけど・・・イヤな予感しかしない夢だった。
うかうかしてられないよ。
「本田先輩・・・」
「フン。やっと起きやがったな。丸二日も寝やがって」
「嘘!?早くかっちゃんのこと探さないと!!」
グイッ
ベッドから出て外へ行こうとしたら本田先輩に引き留められてしまった。
「探すなってよ」
「え?」
「あいつが俺にお前を託したんだ。・・・その意味、分かるだろう」
かっちゃんが
本当に言ったの?
嘘でしょう・・・。