君へ贈る愛の歌
「ん!?あれ、かっちゃんがいない!」
かっちゃんの手を握って寝ていたはずなのに、目を覚ますとベッドは空っぽだった。
「あ、みゅう起きた?」
後ろから声が聞こえて振り向けばにこっと笑ったかっちゃんがそこにいた。
「心配かけてごめんね?」
「心配・・したよ。ごめんね、あたしのせいだ」
「みゅうの前で格好つけたかったんだよ。俺が悪い。そんな泣きそうな顔しないで、ほらおいで?」
点滴のはずれたかっちゃんが腕を広げてくれた。
こんなに甘えていいのかな。
また負担になったりしないかな・・。
でも、今はかっちゃんに抱きしめられたいよ。
かっちゃんの腕の中で、かっちゃんが大丈夫だって思いたい。
「かっちゃん!!」
飛び込んだかっちゃんの腕の中はやっぱりあったかい。
「みゅうは泣き虫だなぁ。本当可愛いね?」
かっちゃんがあたしの頭に顎をおいてぐりぐりしてくる。
ますますかっちゃんに抱き着いて甘えてしまうあたし。
「かっちゃんがいてくれるから、泣けるんだよ・・・。かっちゃん大好き」
「俺の方がみゅうのこと大好きだよ。みゅうの傍にいることが俺の幸せなんだからさ」
「ひゃっ!?」
かっちゃんはイタズラにあたしの耳をパクッてしてきて
「もう、かっちゃんのばか・・」
「あ、涙ひっこんだね?」
くすくす笑って背中をトントンしてくれた。