何時か書くかもしれないもの
春と六弦


先輩の弾くギターが好きだった。

先輩の、大きな掌が好きだった。

いつだって
やさしくあたたかな言葉で迎えてくれる、先輩が好きだった。


「伊織ちゃん、大丈夫だよ。

いま、ここには誰も…君を責める人なんかいないから。

もう我慢しないでいいんだ

泣いたっていいんだ」



桜色の、初恋のはなし。


―春と六弦―



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