何時か書くかもしれないもの
緑の白鳥
「雨が降っても嵐がきても、昨日と変わらず空があるでしょう。それだけで幸福じゃない」
絹子さんは、枯れたガーベラを優しく撫で、笑った。
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卒業式二ヶ月前の高校三年生の春。
出会ったのは、人里離れた山奥で暮らす、機織職人の「お婆さん」だった。
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「作り出すものでも無くすものでもないのよ。ほら。何時だってすぐそこにある」
ハートフルラブ
――緑の白鳥――