Doctor〜鈍感なアイツ〜
「はい。あ、はい。今行きます」


「どうしたんですか?」


「院長からの呼び出しだよ。じゃ萩原、後は頼むな」


「あの…主任」



司馬が佐藤を呼び止めた。



「何だよ?鈍感な司馬君」



迫力負けした司馬は引き下がり、佐藤は医局を出て行く。



「お前が悪い」


「え?」


「実は久美子の気持ちを知ってて気付かない振りしてたとか?」


「違います」


「は?じゃ…まさかマジに気付かなかったのか?」


「久美ちゃんに……彼女に、はっきり言われるまで分かりませんでした。こうゆうのって苦手で」


「おいおい、いくら苦手でも普通気付くだろ。主任だって分かってるんだからさ」


「スミマセン」


「はぁ…で、司馬は久美子の事どう思ってるわけ?」


「どうって聞かれても…」


「あ、そう。まぁ……別に君達の恋愛なんてどうでもいいけどさ。じゃ俺は田村さんの様子診に行くから」



雅也は司馬を
医局に残して出て行く。
一人残された司馬は
頭を抱えていた。



(「あぁ……」)
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