Doctor〜鈍感なアイツ〜
窓越しで見ても誰もいなくて
久美子は諦めて帰ろうとした時
中から物音が聞こえてきて
もう一度引き返してみる。すると誰かが居たようで人影が見えた。



(「誰だろう…あっあれは司馬チャン!?」)



しばらく後ろ姿を見つめていると突然立ち上がり、こっちを見た。



(「ヤバ…見つかった…」)



逃げようとしたが遅過ぎていた。ドアが開いて、司馬が久美子に声を掛けて近付いて来たのだ。



「久美ちゃん…どうしてここに」


「………」


「今日は病院に来てたんだ…」


「……う、うん」



何を喋っていいか困り黙り込む。


「久美ちゃん」


「ごめん…私、帰る」


「…何で俺の事、避けるんだよ」


「!」



突然、司馬は久美子の腕を掴む。
< 46 / 74 >

この作品をシェア

pagetop