、ほんとは好きだよ…
卒業
気がつけば、私の心だけ置き去りにしたように、でも確実に時間は流れていった。
そして今日、私は中学を卒業する……
「……もう、ここにくることもないか。」
卒業式の朝、私は早い時間に学校にきて、思い出を辿る。
一番幸せだった、新君と一緒に過ごした思い出を辿る。
二人で手をつないで歩いた道。
応援団の練習をした屋上。
思いを伝えあった保健室。
そして、毎朝一緒にバスケをした体育館……。
「あの人はもう、バスケができないんだ……。」
新君のその後を、私は知らない。
私達の道は分かれてしまったから……。