、ほんとは好きだよ…
私は話した。
全部を。楽しかったこと、苦しかったこと、嬉しかったこと。

そしてあの、忌々しい事故のことも……。


「今だに、思い出す度に苦しいんだ……。」


「……なんで?」

「……え!?」

「なんで辛くなるんだ?話聞いてたら、お前幸せだったんじゃん。別れは、確かに辛かったと思う。でも、きっと相手は今もどこかで生きてて、今はどうか知らんけど、少なくともお前は昔、精一杯そいつに愛されてたじゃん。そいつがお前をかばったのはその愛ゆえなんだから、お前が勝手に罪の意識感じることねぇんだよ。お前とそいつには幸せな時間がいっぱいあったんだろ?」
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