、ほんとは好きだよ…
「しないよっ!」

さり気なく、私の不安を取り除いてくれる徹平の優しさが伝わった気がする。

「上手いの?空手。」

「まぁな。親父、道場開いてっから。」

「……初耳~!」

「言ってねぇしな。」

「練習嫌いなの?」

「なかば強制的に空手部入部させられたけどさ、もう充分かなって。」

「充分?」

「……自分の大切な奴を守れる程度強ければいいんだ、男は。それ以上は、他人を傷つける。」




……なんて人なんだろう、この人は。
しっかり自分の考え持ってて、揺るがない。

私も、こんな人になりたい。
守られるだけじゃなく、大切な人を守れるように。

そう、思えた。
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