、ほんとは好きだよ…

隣りのひと

「名前、なんて言うの?」


彼はいきなり話しかけてきた。

えっと……誰だろ?
……って名前聞いてきてるんだから初対面の人か。

「あ、反町優姫です。初めまして!」

自分としてはかなり爽やかに明るく挨拶したつもりだった。
しかし、相手から返ってきた言葉は……



「ふ~ん、変な名前!俺は染谷新。」

……変な名前?
優姫って名前、結構気に入ってるのに!!

「変な名前って!失礼ね!」

「だって、そう思ったから。」

隣りに座っている彼はシレッと言いのける。……なんなの!?

「あなた、初対面の相手に失礼よ!」

……と、ついつい声を荒げてしまえば周りの人がこちらを振り返る。

……あ、今入学式の最中だった!

「声……でか。」
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