、ほんとは好きだよ…

チョコレートは、放課後部活の前にでも渡そう、と思ってた。
放課後になるのはこんな時に限ってあっという間だ。


どうしよう。
チョコレートの入った袋に目をやる。
……これは、徹平のために作ったから、徹平にもらって欲しい。
素直にそう思えた。




とにかく渡そう。このチョコレートだけは。
そう思って、袋を掴むと部室へ急ぐ。





「徹平、私、徹平のことが好き……です。」

部室のドアを開けようとして聞こえたのは……秋先輩の声で、ドア窓からみえたのは徹平と秋先輩の姿だった。