、ほんとは好きだよ…
「じゃあ、反町は先に戻れ。俺は、どうせだからちょっと休んでくわ!」




私は、そのまま戻った。





―「初めて、すごく大事だと思えた子だったんだけどな……。まぁ、あの子が笑ってられるならそれが一番だ。でも……」



「当分、引きずるかな、これは。」  ―




私はいつも、大事な人たちの気持ちに鈍感すぎるんだ。
あの時、卓斗君をどれだけ傷つけていたかなんて知りもしないでホッとしていたんだから。

私のそれからの幸せな時間は、卓斗君の優しさ故に存在していたのに。



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