、ほんとは好きだよ…
「優姫……。」

私はすぐに起き上がった。
足はかなり勢いついて転んだためか痛んだけど、これ位なんてことない。





「……今、手術中らしいわ。頭を強く打っていて出血がひどかったって……。」




そういってお母さんは『手術中』のランプがついた部屋の前まで私を連れてきた。

「優姫!!」

そこには、卓斗君、光、直ちゃん、そして新君のお母さんとお父さんがいた。

「優姫……染谷君がまだ……。」

「光……、わかって……る。」

頭が上手くまわらない。
何も考えられない。
まだ嘘みたいだ。

「優姫ちゃん……大丈夫?」

新君のお母さんとは以前、新君の家に遊びに行った時に話をしたことがあった。
明るくて優しそうなお母さんだと、その時思った。

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