秘密の恋の始め方

「ユズコ」

「――――っ、何!?」

自分でも驚くほど甘かった声は、ユズコには刺激が強すぎたみたいで、元々真っ赤だった顔色はかなりやばいことになってたけど。

そっと耳元に声を落とした。


俺にここまでさせたんだ。
――いまさら、手放してもらえるなんて思うなよ?



「………か、奏太……」

もう、限界。

そんな間抜けな台詞ひとつで、いつかの教室の再現のように真っ赤になりすぎたユズコはぼんっと意識を飛ばした。

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