咲き乱れる桜の木の下で



「桜花のお父さんなんだろ?
なんで、
桜ヶ丘小学校を取り壊して
原子力発電所なんか……」


「……お父さん、
桜ヶ丘小学校が嫌いなの。
それに桜が大嫌いなの。
これを機に原子力発電所を建てて
取り壊しちゃうんだ……」


消え入りそうな声で
桜花は呟いた。


「そ、そう…なんだ」


俺はもう何も言えなかった。


桜花は静かにずっと泣いていた。

< 27 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop