いちご模様の赤い傘
「私は、晴れてるのが一番好き」

少女は顔をあげて、それこそ太陽みたいな顔をした。

「でもね……私のお母さんは雪が大好きなの。
寒いの苦手なのに」

ふふっと嬉しそうに笑った。

「だから、今日私と一緒に帰ろうって言ってきたのね。
『雪は大好きな人と一緒に見たい』ってお母さんの口癖だもん」

「お母さんのこと、大好きなんだね」

へへっと照れ笑いして、少女はコクンと頷いた。

彼女は、お母さんにとても愛されてるんだ。

お母さんを愛してるんだ。



そうして、俺はようやく気が付いた。
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