いちご模様の赤い傘
夕日が懐かしい街を照らす。

雨雲がすぐそこまで迫っているなんて感じられないほど綺麗に。



どうして今この場所に戻ってきたのだろう?

また俺の心が疑問を囁く。

この道を歩くのはこの街を離れてから、初めてだった。

もう二度と歩くことはないと思っていたのに。



俺はどこへ行くともなくただ歩いた。

街の雰囲気に包まれているのが心地良かった。

駄菓子屋がコンビニになっていたり、古本屋が携帯ショップになっていたり、時々発見してはせつない気持ちに浸っていた。

やっぱり月日は流れているんだ。
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