空は虹色、心は君色
第1章
ずっと一緒だったのに
「ハル。」
長ったらしい話しを終え校長室から出る。
靴箱の横にある駐輪場に見えた小さな人影から声がした。
明だ。
「何?」
「何って、塾一緒に行こぅ言ったんハルやん!」
「あぁ~」
「あぁやないよ。…長かったけど、何の話ししてたん?」
「ん~…高校の話し」
自転車に荷物をくくりつる。
何か考えている明を横目に、ペダルに足をかけ踏み込んだ。
ヘルメットはカゴに入れたまま。
冷たい風が頬を斬る。
少し遅れて明が横に並ぶ。
「うわ~いけんのだ。メットぐらい被りや。」
「あぁ。部活もまだしよるし、塾まではそうやな。」
「あたり前。あたしも塾からは被らんよ。」