空は虹色、心は君色

15組もある女子100mでは1組目の4レーン。
見たこともない顔とユニフォームに囲まれ、10時ピッタリにレースが始まった。


『位置について・・・よーい・・・』


パァーン


先生に借りた、まだ履き慣れていないスパイクで力強く1歩を踏み出した。

下は土ではない、赤いゴムのオールウェザー。

1歩、1歩、踏み込み、蹴るたびにリードは広がり、あっという間に1番で100mラインを越えた。

速報タイム、13秒14

2階の観客席でどよめきが上がった事に明は気付かない。

陸上がよく分からないなめ、どれほどすごい記録なのかも分からないのだ。

2階にいた先生と友達にピースをして、やり投げのピットにそのままかけて行った。



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