空は虹色、心は君色

『只今のレース1着4レーン、美灘中学、柳沢13秒18、2着……以上追い風0.3mでした。』

放送されている自分の名前とタイム、なぜ速報タイムより遅くなっているのか不思議に思いながらやりを手に順番を待っていた。

全18選手が1投目を一巡した最後、明は投げさせてもらえる事になった。

審判の人が赤い旗を勢いよく下ろしたのを始めに集中をする。

100mで疲れている体を動かし、腕を強く振った。

あからさまに不自然なフォームから放たれたやりは、弧を描き30m手前で芝生に刺さった。

「よし!」

力強い審判の声と共に白旗が上がり、明の記録が計測される。


「記録、29m53」


100mとは違い、電子メガホンで良いか悪いかも分からない記録が読み上げられる。



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