空は虹色、心は君色

ベットの前に位置している机の上に置きっぱなしにされている白いドライヤー。

肩に掛けていたタオルを椅子に掛け、ドライヤーをONにする。
使い慣れたドライヤーから暖かい風が出る。
スタンドライトを付け、伏せてあった鏡を起こす。



「アキ?」

「ん?」

「シャンプー何使ってるん?」

「えっ?いきなりどしたん?」

「いや、いい匂いやなーと思って。」

「ふーん。エッセンシャルやけど…」

「エッセンシャルかぁー…」

「うん。」



それからドライヤーの音と雑誌をめくる音だけが響いていた。



「春華、アキちゃん。ご飯できたよー」

「んー分かったー」



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