空は虹色、心は君色

セミロングの髪が乾いてきた頃、1階からしのぶちゃんの声が聞こえた。
春華は雑誌を閉じ、明はドライヤーと鏡を片付けた。



「何してるん?」



タンスをいじっている春華。
飛んできたのは黒のジャンバーだった。



「えっ?」

「寒いやろ?それ着とけや」

「あっうん、ありがと」



部屋を出ながらジャンバーの袖に手を通す。
自然と笑みがこぼれる。



「やっぱハルってでかいよね」

「そりゃ男ですから。てかお前が小さいんやろ。」

「いやいや、これでも全国平均よりかはでかいから。」

「あーそーですかー」



< 9 / 25 >

この作品をシェア

pagetop