蜂蜜色の王子
(ほら、時計通りに
みんな起き出す。)
わたしもそれに
ながされていくの。
いつもどおりに
お気に入りの
ワンピースから
少し鮮やかなドレスに
着替えるの。
-もう、空が水色。
白っぽい月が
まだ浮かんでる。
お城の窓から
いつも見える小さな村。
お城の中と違って
誰一人気取らず
みんな毎日楽しそう。
いいな、って思いながら
いつものように
外をのぞく。
醜いのは私たちみたいな
気取ってばっかりのひと。
村のあの人たちは
キラキラと輝いて
まるでおほしさまみたい。
毎朝、手紙を届けにくる
あの人も
きっとあの村の人。
だって、
だって見ていて
嬉しくなるような
素敵な笑顔を
もっているから。