蜂蜜色の王子
わたしはいつも
見かけるたび幸せになる
そんなあの人。
いつのひにか
彼が気になって仕方ない。
まだ来ないかな。
って、鼓動が早くなる。
きっと恋って
気付いてるけど
気付きたくなかった。
身分も違えば
名前も知らない。
どうにかしたって
もしかしたら
話だってできないほど。
だから
気付きたくなかった。
でも、気になって、
彼を従わせてる
ムーストに聞いた
(彼はどういう身分なの?)
「ああ、ケイか。
彼は、ただの村人だよ。」
(家族は?)
「確か、妻がいたなぁ。
姫、どうして
ケイの事を。」
(いえ、ただ名前を知らなかったので、
気になって。)
高いヒールを
かつかつならしながら
一気に階段を
駆け上がった。
動揺をかくすために、
でも、鼓動が早く
なりすぎて
全くおさまらない。
なぜか怖かった。