【完】アップルパイ。~ズット君ノ隣デ~
「さきほど電話させていただいた大介です。このたびは申し訳ありません」
大介さんは深く頭を下げた
「そんなっ…」
大介さんが悪いわけじゃないのに、
この言葉がなかなか言えない
お母さんはわざとらしくため息をついた
「…あなた桜の恋人って訳じゃないわよね?」
「そんなんじゃないですよ。」
大介さんはお母さんの顔を見ながら半笑いでしゃべった
「そうよね。あなたみたいなのが桜の恋人なら困るわ」
…私の中で何かがハジけた
「お母さん!!!」
気づくと私は怒鳴っていた
今まで私はお母さんを怒鳴った事がないからとても驚いていた
「あなたみたいな、ってヒドイじゃない!お母さんより大介さんの方が私の事わかってくれてる!大介さんの悪口言わないで!」
私は涙ながらに訴えた
「…桜ちゃん」
大介さんは私の名前をつぶやいた
お母さんはめんどくさそうに口を開いた