【完】アップルパイ。~ズット君ノ隣デ~
「何?楓まで私に帰ってくるなって言いたいの?」
私は親にも楓にも嫌気が差していた
部屋にはテレビの笑い声だけが聞こえる
『…そんなんじゃないよ。姉ちゃん、僕なんかした?』
楓の声は少し震えている
「何もしてないよ。でも…ゴメン。私は楓の事を笑顔で見る事が出来ない」
『何で?前はちゃんと僕の前でも笑っててくれたじゃないか!』
私は返す言葉がなく黙りこんだ
『姉ちゃん頼むから帰ってきてよ!僕…ずっと我慢してた!頑張れって言われ続けてた。でももう無理だよ…』
楓なりに苦労してるんだと、この時初めて知った
そうだよね。
私と同じで楓だってしたいことがあるはず。