【完】アップルパイ。~ズット君ノ隣デ~
「ダメだよ。私は経験者だから言えるけどあんな所いない方がいい」
『僕はヤンキーとかになりたい訳じゃない。ただ家に縛られたくないだけなんだ』
「それは私も凄く分かるよ。でも楓は華道好きでしょ?」
ちゃんと知ってるんだからね?
夜中まで起きて華道の勉強してること
『姉ちゃん…見てたの?』
「うん。だから頑張って。私は最後まで頑張れなかったから」
『うん…僕頑張るよ。だから姉ちゃんも頑張って。大介さんと幸せになってね』
…もしかして楓
「気づいてた?」
『バレバレだよ。僕、勘だけはいいんだ。告白しなよ。きっと上手くいく』
「…ありがとう。楓も好きな人できたら教えてね」
『うん。絶対教えるよ…』
「あのさ、今度おごるから一緒にご飯行こう」
『絶対だよ。じゃあね姉ちゃん』
「バイバイ」
私はケータイを切った
…こんな日が来るとは思わなかった
これも全部大介さんのおかげだ
ありがとう大介さん。