【完】アップルパイ。~ズット君ノ隣デ~
私は大介さんを好きになってから泣き虫になった
「…本当泣いてばっか」
私は部屋にあるぬいぐるみを棚に投げつけた
その衝撃で棚に入ってある教科書や漫画が床に落ちた
ひらりと舞う一枚の写真
優姫さんの写真だ
前にこっそり拓海さんにもらったもの
私は優姫さんの写真を床から拾った
「優姫さん、お願いだから大介を下さいっ…」
勝てる気がしてた
大介さんは私を好きになってくれるって思ってた
私はあなたに勝てる気がしない
涙が優姫さんを濡らしていく
写真に写る大介さんと拓海さんと優姫さん
私の知らない大介さんが優姫さんと肩を組んでうつっている
どことなく似ている優姫さんと私。
だから大介さんは優しくしてくれるの?
違うよね?
私は涙をぬぐった