ずっと好きだったよ
教室に戻ると、遥斗がいた。
「何やってんだよ。ここにいろって言ったろう」
教室に入った途端、怒られた。
「誰のせいだと思ってんのよ」
海は言った。
「何、逆ギレしてんだよ」
遥斗は言った。
「ごめん」
海は、手が痛くて遥斗に当たってしまった。
「お前、その手どうしたんだよ」
遥斗は、海が手を抑えていることに気が付いた。
「なんでもない」
海は手に力を入れ、そう呟いた。
「嘘つけ。見せろ」
遥斗は、海の手を掴み言った。そして、遥斗は海の手を見た。手首が痣になっていた。捻ったように。
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