ずっと好きだったよ
海は何が起きたのか分からなかった。
《翔哉君が私を？なんで？夢？》
海の頭の中は、？でいっぱいだった。
「海ちゃん？」
翔哉に名前を呼ばれ、夢ではないことが分かった。
「なんかの冗談？」
海はまだ信じられなかった。
「本気だけど」
翔哉は言った。翔哉の目は真剣だった。
《だって、翔哉君は遥斗の友達で私の友達でもあって、なにより亜妃の好きな人》
「私・・・・」
海が言いかけたとき、翔哉が言った。
「もしかして、遥斗のことが好きとか？」
「えっ・・・・」
「そうなの？」
翔哉は言った。
「好きじゃないよ」
海は答えた。
「だったら、俺と付き合って」
翔哉が本気なのが分かった。
「ごめん。いきなりそんなこと言われても。翔哉君とはずっと友達だって思ってたし。そんな風に考えられない」
海は正直に自分の気持ちを伝えた。
「そっか。でも俺、諦めないよ」
翔哉は笑った。



海は、さきに屋上から教室に戻った。
教室に戻ると、亜妃が寄ってきた。
「海、どこ行ってたの？探したんだよ」
亜妃は言った。
「ごめん」
海は、亜妃を見ることができなかった。亜妃に申し訳なくて。



《亜妃、ごめんね》
海は心の中で呟いた。
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表紙・目次

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