恋の坂道発進―2010年バレンタイン短編―
大勢のファンの中で、私が勝ち抜くためには何が必要だろう。
スカートを短くして、色気で責めるなんて、おそらくほとんどの子がやってる。
私はもっと別の…… 私にしかできないような作戦。
考えても考えても、私にしかない私の魅力なんて見つからず。
私が他の人と違うところと言えば……不器用、要領が悪い、ドジ、天然、おばかさん……ってくらい。
変な作戦立てずに、ただ真っ直ぐに、愛すること!
それが、悩んで出した答え。
ライバル達の噂話を立ち聞きして、情報収集した。
まだ安心なのは、塩崎先生は、『ツレない』男。
かわいい女の子にデレデレしちゃうような人ではないことが、唯一の安心材料だった。
やっぱりニヤニヤしながら他の女の子と話しているのを見るのは辛いから。