恋の坂道発進―2010年バレンタイン短編―
視線を感じる。
当たり前だ。
ここは教習所の出入口。
そして、隣にいるのはあの、有名なイケメン教官、塩崎憲司なのだから。
「お久しぶりです。やっと会えました!!」
「何言ってんだよ。今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ?おでこ、真っ赤だぞ。くくく」
腕を引っ張られて、ようやく立ち上がることができた。
こんなに密着するのは初めて。
どうしていいかわかんないくらいにドキドキする。
たくさんの鋭い視線が私に突き刺さる。
「ちょっと休んでから帰れ。こっちおいで」
こっちおいでって!!!!
やっばい!!
めちゃめちゃかっこいい。