恋の坂道発進―2010年バレンタイン短編―
9.チョコ―END―
―チョコ―
次の日。
塩崎先生の仕事が終わる時間10分前。
手が震える。
本当に車の後ろにしゃがんで待っている私はバカ?
でも、なんだかあったかい。
綺麗に磨かれた車。
中を覗いてみたけど、何も余計なものがなくて、綺麗。
塩崎先生は、彼女とかいるのかな。
今はそんなことはどうでもいいんだけどさ。
「うわぁ~!ストーカー女!!」
足音が聞こえなかったのは、私の心臓がドキドキ鳴っていたからだろう。
「塩崎先生っ!!」
「本気でそんなとこで待ってるとは・・・・・・」
「だって、しゃがんでろって言ったから」
塩崎先生は、周りをキョロキョロと見てから私に近付いた。
「明日、お前来る?」
「はい。来ます!!」