恋の坂道発進―2010年バレンタイン短編―
「どうしたんだ?」
おっと。
変態になるところだった。
「すいません」
平常心を取り戻そうとするけれど、そんなこと絶対無理!!
見てしまった。
ドキンってしてしまった。
見なかったフリなんてできない。
目をそらしても、この胸がドキドキし続けている。
エンジンをかける。
またチラ見。
あ。
右の耳にピアスの穴の跡がある。
きっと、中学高校時代、ちょっとやんちゃしてたんだろうな。
真面目なフリして先生してるけど、夜になると別の顔がある・・・・・・みたいな。
指――――!!
指フェチの私にはたまらない指。
ごつごつしてないしなやかな指。
でも、関節はしっかりと主張していて、女性の指とは明らかに違う。
完璧に、誰もが惚れちゃうタイプ。