骨まで愛して〜ハッピーバレンタイン〜
…もう知らないっ、どうにでもなれって思ったのに、気付いたら、コウタの家の前
昔から邪魔だと思ってた電信柱に身を隠すことになるなんて、小さい頃は思いもしなかった。
いつも一緒にいて、いつだって助けてあげたのに、
これが最後、
最後の忠告…
意を決して踏み出した靴が、積もった雪にハマってバランスを崩した。
「うゎっ」
受け身をとった私の視界に飛び込む真っ白なダッフルコート
「危ないっ」
「………」
「………」
私を抱き締める腕の感触とは不釣り合いな、可愛い笑顔で私を見下ろすコウタ。
昔は私の方が背が高かったのに、
…握力だって …
…スポーツテストだって…
……
何よ、勝手に追い越して…
コウタの手には、可愛い紙袋が下げられてて、覗きこんだら綺麗にラッピングされた箱が見えた。
…私だったらあんなに綺麗にラッピングするのでさえ、一晩かかるよ…