鬼姫
あたしは頭の中が
真っ白になったーー。
「ーーーー………」
山田が何か
言ってるケド、
全く頭に
入ってこない……
「…み……ぞみ
……のぞみ!!」
えッ!
顔をあげると
友里が今にも
泣き出しそな顔で
あたしを見ている。
『はいっ!?』
「大丈夫!?
急いで家に帰るよ!!!」
家に帰る!?
鬼狂がいるかも
しれないのに!?
……イヤだ
『無理だよぉ……。
だって、学校の外には
鬼狂がイッパイ
いるんだよ!もし!!!
……鬼狂に出会ったら
殺されるんだよ!?』
あたしには、
この状況で
落ち着くなんてことは
不可能で……
頭の中には
“絶望”と“殺される”
の文字しかなかった……