鬼姫
†魔蝶†
学校の外に出ると
寒気がした………
鳥肌がたったのが
自分でもよくわかった。
いつもは、
賑やかな町なのに、
人が誰もいない……。
シーンと静まり
かえっている……
あたし達の歩く
スピードはしだいに
速くなっていった。
お互い何も
話さなかった。
いや。
話す事ができなかった
極度の緊張で
声がだせなかった。
握っていた友里の手は
小さく震えていた……
友里もきっと
恐いんだ…。
あたしは、
ただーー
心の中で祈ること
しかできなかった…。
“このまま、
鬼狂に会わずに
家に帰れますよーに”
ただ……
必死に祈っていた……
でも……。
その祈りは、
背筋が凍りつくような
叫び声とともに
チっていった………。