鬼姫



「キャーッ!!!」




あたりに
響き渡ったーー。



甲高い女の人の声。








あたし達の
すぐ近くから
叫び声が聞こえた…。




叫び声を聞いた
とたんに息が
できなくなった…


ひざが、ガクガク
震えだした…



心臓の音がしだいに
速くなっていくのが
わかる…




怖い……






なんてものぢゃない






何も考えられない……。

ただ頭の中が真っ白に
なっていくのが
わかった…。









怖い……


怖い……


怖い……









声がだせない……
体が動かない……

考えることも……
何一つできない……











あたしは、
ここで死んぢゃうんだ








その考えしか頭に
浮かばなかったーー。











そのとき………



「のぞみっ!!」




友里があたしの
名前を読んだ












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