鬼姫
「やぁ、気分はどうだい?」
おじさんは優しく
言ってくれた。
『はい…大丈夫です。』
あたしは戸惑いながらも
答えた。
よかった!
この人優しそう……
ホッとして聞いてみた。
『あのぉ~?
ここはどこなんですか!?』
「ここは……俺の家だよ」
いや!!
そうぢゃなくってですね!!
『あたしはどーして
ここにいるんですか?』
「君は……
俺の家の前に
倒れていたんだよ。」
倒れていた!?
どーして?
あたしはますます
自分の置かれている
状況がわからなくなる。
頑張って思い出そうと
してみたけど……
ダメだ……
思い出せないーー
『あたし……
なんにも思い
出せないんです………。
思い出そうと
しているんですが、
思い出そうとすると……
頭がズキズキ痛くなって……』
さっきから
何回も思い出そうと
しているケド……
頭が割れそうなくらい
痛くなるーー。
「そうか。
……希美ちゃんはしばらく
ここにいなさい。」
おじさんは遠くを
見つめながら言った
『えっ!?
なんであたしの
名前知ってるんですか!?』
あたしはまだ、
名乗っていない………
なのにどぅして
あたしの名前を
知っているんだろう?