Nightの誘惑

はぁ…あまりのきゅん加減にテンパりそう。


あぁ。あまり見ないようにしなきゃ。


「はい、お疲れさん」

私のグラスと俊介さんのグラスが、わずかに触れる。


「あ、お疲れさま」


少しのことにドキドキしてる。


別れを決意してるとはいえ、まだ彼氏という存在がいるのに…


私の心はもうすでに、ゆっくりと…でも確実にこの恋に近づいていた。


どうにも強く惹かれる想いも、


会いたくてたまらなくなる衝動も、



愛しくて…切なくて…


一途な恋を私は知らなかったんだ。



「ヨウちゃんて、仕事何してるの?」


物思いに耽っていた私はその声に、大袈裟なくらい驚いて…

「ふへっ?!」


あ〜ぁ。

変な声出しちゃったよ。




< 56 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop