Nightの誘惑
はぁ…あまりのきゅん加減にテンパりそう。
あぁ。あまり見ないようにしなきゃ。
「はい、お疲れさん」
私のグラスと俊介さんのグラスが、わずかに触れる。
「あ、お疲れさま」
少しのことにドキドキしてる。
別れを決意してるとはいえ、まだ彼氏という存在がいるのに…
私の心はもうすでに、ゆっくりと…でも確実にこの恋に近づいていた。
どうにも強く惹かれる想いも、
会いたくてたまらなくなる衝動も、
愛しくて…切なくて…
一途な恋を私は知らなかったんだ。
「ヨウちゃんて、仕事何してるの?」
物思いに耽っていた私はその声に、大袈裟なくらい驚いて…
「ふへっ?!」
あ〜ぁ。
変な声出しちゃったよ。