チャット嬢 華
チャットの事務所に向かう途中、
オーナーと色々話した。
「18歳?若いねー!
何でこの仕事しようと思ったの」
「皆が大学入って新しい事始めてる中、
私は何してんだろう?って思って。
何か始めたかったんです。
それで、雑誌見てて
『これいいかも!』と思って。」
「ふーん。そうなんだー
あ!
写真付きの身分証持ってきてくれた?」
私は鞄から
予備校の学生証を出して
オーナーに渡した。
オーナーはそれを
たいして確認もせずに
携帯電話のカメラで撮って
私に帰した。
「あと、照合するから
身分証もって顔と一緒に撮らせてね。」
そういって
信号待ちの間に写真を撮った。
「じゃ、もう少しでお店着くからー」
あれ?
こんな簡単なものなの?
と、少し疑問に思いながらも
私は車のフロントガラス越しに
まだ明るい歓楽街の景色を見つめていた。