気まぐれカエル~バレンタイン特別編~
「モテる彼氏なんかいらないもん…」
私のつぶやきが先生に聞こえたのか聞こえなかったのかわからない
「ほらっ!さみぃから早く乗れ!」
先生はガサガサと荷物を後ろの座席に乗せると助手席のドアを開けてくれた
黙って乗り込んだ私に先生は笑顔を向ける
「やっと南って呼べるな!つい呼んじゃいそうだった」
先生は暖房を“強”にすると車を走らせた
20分くらいして見知らぬ公園の近くに車をとめた
「…さて、南ちゃんのチョコをもらいますか」
先生が体ごと私のほうに向けた
私は黙ったままかばんからチョコを取り出し、先生に手渡した
「あれ?何も言ってくんないの?」
先生はきょとんとした顔を私に見せた