ヒメ恋 番外編②
何を海里と約束したのかすごく気になったけど、里海は誰に似たのか少し頑固なところがあって、簡単には自分の考えを変えない。
それ以上聞いたところで答えを得られないと思ったあたしは、笑顔で里海を送り出すことに決めた。
「ごめんね、里海。里海はパパとの約束守ってるだけだもんね。ママ、もう聞かない」
里海のサラサラの髪を撫でると、突然振り向いた里海が申し訳なさそうな声で言った。
「ママごめんね。ママとの約束もちゃんと守るから、里海」
「ううん、ママ嬉しい。里海がちゃんと約束守れる子で」
ギューッと里海を抱きしめると、安心したようにいつもの可愛い笑顔を見せてくれた。
あたしの自慢の娘。
大切な、大好きな娘。
良いことと悪いこと、大切なことの区別がつくようになった、もう一人前のお姉ちゃんになった娘。
そんな大切な娘に、日々目まぐるしい成長を見せられる。
「美海ちゃんはいいママね、本当に」
「え?」
顔をあげると、お義母さんが優しい笑みを浮かべて、あたしを見下ろしていた。
隣にいるお義父さんも、すごく嬉しそうに微笑んでいる。
「ありがとう、美海ちゃん。自慢の孫に育ててくれて」
「そんな……」
「自慢の娘に自慢の孫。幸せね?あなた」
「そうだな」