ヒメ恋 番外編②
自慢の娘と孫。
すごくすごく嬉しい言葉。
だけどそんな自分でいられるのは……
「お義父さんとお義母さんのおかげですよ?」
「え?」
「いつもそうやって誉めてくれるから。……だから頑張れるんです」
大人になると、誉められる機会なんてほとんどなくなる。
だから自分で自分を誉めてあげる。
『頑張ったね』とか『お疲れ様』という言葉で。
だけどやっぱり人から誉められると、自分で誉めてあげるよりも嬉しくて。
誰かに認めてもらえてるって分かると、それが何倍ものパワーに変わる。
子育てに疲れてしまった時、自分のイライラを子供にぶつけてしまった時、落ち込むといつもお義父さんやお義母さん、海里が慰めるよりも誉めてくれた。
それがあたしの大きな原動力になっている。
もちろん今も。
「だって美海ちゃん、誉める要素しか見当たらないんだもの」
つくづく思う。
あたしは本当に幸せ者だって。
「いつも頑張ってるんだから、今日は海里にたくさんワガママ言いなさいね?」
「ふふ。お義母さん、今日はバレンタインだから、海里のワガママ聞いてあげなきゃ」
「何言ってるの。今日は女が好きな男に甘える日!海里のワガママだってきっとそんなものよ?」