閻魔様のチョコレート

「2月の14日…」

「そうかい。じゃあまだ最後尾付近だね。私と列に戻ろう?」

天使が優しく手を差し出してくれました。

エリザベスはそれには気づかず、うつむいていました。

ある事を思い出していました。

エリザベスの死んだ日はバレンタインデー。

ダディは13日になると、チョコ菓子を大量に買ってくるし、マミーは必ずたくさんのチョコケーキを焼いていました。

イベント事を、同年代の子たちと、出来ないエリザベスの為に、ダディとマミーは、いつもイベント事は盛大にやってくれました。

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