1センチの距離
「大声出して,どないしたん?!」
「嵐士,イチ!この子達がサークル入るって!!」
近付いてきた2人の肩をバシバシと叩く千夏。
「ちょっ,チーネ痛いっ……」
「……あ」
千夏の手を静止させる壱依。
嵐士は千夏の言う2人を見て,目を丸くした。
「この子らって……」
「ぁ,嵐士気付いた?」
「ん?……あー!」
「イチも気付いた?」
クスクス笑う千夏。
それに連れるように,クスクスと笑い出す杏と棗。
「学祭ん時,来てくれた子らやんな?!」
「はい」
「わー,懐かしぃ……でも,ほんとにここに来ると思わなかった」
「せやんなー」
5人は学祭の時を思い出しながら話しだした。
「あの時は……結局,2人しか女の子来なかったよな」
「ぇ……」
「杏ちゃんと棗ちゃん以外に女の子来なかったの」
「だから,2人にここで会えたっていうことからして嬉しいんだ」と言う千夏。
そんな千夏の言葉に喜ぶ杏と棗。