1センチの距離

「大声出して,どないしたん?!」


「嵐士,イチ!この子達がサークル入るって!!」



近付いてきた2人の肩をバシバシと叩く千夏。


「ちょっ,チーネ痛いっ……」


「……あ」


千夏の手を静止させる壱依。


嵐士は千夏の言う2人を見て,目を丸くした。


「この子らって……」



「ぁ,嵐士気付いた?」


「ん?……あー!」


「イチも気付いた?」


クスクス笑う千夏。


それに連れるように,クスクスと笑い出す杏と棗。


「学祭ん時,来てくれた子らやんな?!」


「はい」


「わー,懐かしぃ……でも,ほんとにここに来ると思わなかった」


「せやんなー」


5人は学祭の時を思い出しながら話しだした。



「あの時は……結局,2人しか女の子来なかったよな」


「ぇ……」


「杏ちゃんと棗ちゃん以外に女の子来なかったの」


「だから,2人にここで会えたっていうことからして嬉しいんだ」と言う千夏。


そんな千夏の言葉に喜ぶ杏と棗。


< 13 / 20 >

この作品をシェア

pagetop